分析評価事例 

組織・構造の測定例


構造用セラミックス(反応焼結SiC)の高強度化メカニズムの解明

反応焼結SiC(炭化ケイ素)は半導体製造装置などに多用されている構造用セラミックスですが、通常の常圧焼結SiCに比べて低強度でした。

右図⇨

高強度化のメカニズム解明を透過型電子顕微鏡TEM)でナノレベルの組織観察を行った結果、残留Siを1μmレベルまで微細化することで常圧焼結SiCの2~3倍の曲げ強度(約1GPa)を達成しています。

⇦左図

この反応焼結SiCは鏡面研磨加工により表面の凹凸を±10nm以下(干渉計による3D観察)に仕上げることが可能で、宇宙用望遠鏡ミラーとして使われています。(左図)

また、この反応焼結SiCはセラミックス基複合材料(CMC)の高強度・高靭性化を実現するマトリックス形成プロセスとして使われ、良好な繊維引き抜け効果が走査型電子顕微鏡SEM)で観察されています。(右図)


伊藤 義康 (一般財団法人 航空宇宙技術振興財団)


耐プラズマ・エッチングのコーティング開発

半導体製造装置には、耐プラズマエッチングを目的として、酸化イットリウムのコーティング(大気プラズマ溶射)が施工されています。

走査型電子顕微鏡SEM)では無特徴な断面が観察されます(左写真)が、後方散乱電子回折分析SEM-EBSD)で観察(右写真)するとコーティングは結晶方位の異なる多結晶構造であることが明らかです。

また、X線光電子分光XPS)を使うと、酸化イットリウム皮膜表面にはプラズマ・エッチングによりフッ化イットリウム(YF3)が形成され、耐食性が維持されていることが分かりました。このような現象を明らかにすることで、より優れた耐プラズマ・エッチングのコーティング開発が進められています。


 伊藤 義康  (一般財団法人 航空宇宙技術振興財団)