学術顧問団の紹介


🌿 伊藤忠直 (元京都大学教授)

キーワード;生物物理、生体膜、細胞骨格


私は京都大学で生体膜および細胞骨格の動的構造を研究してきました。化学的方法では不可能な不対電子をラベルしたリン脂質分子を生化学的に合成する方法を開発し、その電子スピン共鳴スペクトルから膜上の各種リン脂質分子の動態を明らかにしてきました。また、アクチン系細胞骨格の浸透圧や機械的刺激に対する応答機構を、新規に開発した浸透圧計や原子間力顕微鏡を用いて研究し、新たな知見を得ています。生体膜研究の今日的課題は膜たんぱく質の構造解析で、それにはクライオ電子顕微鏡と共にX線放射光ビームが必須のアイテムです。私はこれまでの研究で得た知識や技法を、それらの研究を行う皆様のお役に立てたいと思います。


⚙️ 川崎 亮 (東北大学名誉教授:粉体加工学)

キーワード; 粉体加工、ナノ複合材料、傾斜機能材料、破壊力学


傾斜機能材料、金属やセラミックスの単分散球形微粒子の作製、その一粒を用いたマイクロ粘性流動加工法、それらの3次元規則的粒子配列法の基礎研究を行うとともに、カーボンナノチューブやグラフェンの新しい機能性ナノ複合材料の創成とその優れた機械的・物理的特性に関する研究を行ってきました。これらの機能発現には粉末粒子表面や材料組織界面の制御が鍵であり、それは永遠の課題でもあります。その解明には高輝度高性能放射光の積極的な利用による分析・解析が極めて重要であり、大変期待されていると思っています。


💎  後藤 孝(東北大名誉教授:材料科学)

キーワード:コーティング、CVD(化学蒸着)、PVD(物理蒸着)


私は東北大学で材料科学の研究を行ってきました。材料にコーティングをすることにより省資源、省エネルギーで高性能化・高機能化・長寿命化することができます。これまでCVD(化学蒸着)、PVD(物理蒸着)などを用いて、多くのコーティングを研究してきました。PVDでは薄膜をコーティングしますが、CVDでは厚膜のーティングや大型部材、粉体、繊維にもコーティングして、性能を向上することができます。これまでの長い経験を元に、コーティング装置の製作や、最適なコーティングをどのようにすればいいかなど、皆様のお役に立てると思います。


🧊 澤田安樹 (京都大学名誉教授)

キーワード:低温物理、2次元電子系、固体ヘリウム3


私は名古屋大学、東北大学、京都大学で低温物理学の研究を行ってきました。液体ヘリウム温度4.2Kよりもはるかに低い温度を生み出すために、希釈冷凍機や核断熱消磁冷却装置を作り、超伝導体の熱的性質、固体ヘリウム3の核磁性、半導体界面にできる2次元電子系などで研究成果を挙げてきました。低温技術は超高真空を得るためや磁場を作るためにビームラインにも多数利用されていますが、放射光を利用する研究においても必須な実験技術であり、これまでの長い研究経験や装置の製作経験を生かして必ずや皆様のお役に立てると思っております。


🔍 高部圭司 (京都大学名誉教授)

キーワード:走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析、透過型電子顕微鏡


京都大学で農学博士を取得後、北海道大学農学部に4年間勤務。その後、京都大学農学部に勤務。京都大学在職中の1998年にスウェーデンの木材微細構造研究センターに招聘されました。この間、一貫して電子顕微鏡を用いて木材細胞壁の形成過程に関する研究を進めました。初期にはオートラジオグラフィー、その後には免疫電子顕微鏡法により細胞壁成分の生合成に関与する酵素の細胞内分布やヘミセルロースの細胞壁内分布を調べています。また木質資源のバイオマス利用のための基礎的研究として、セルラーゼやヘミセルラーゼによる細胞壁分解過程を調べています。


✨ 矢持秀起 (京都大学教授)

キーワード:分子性結晶、低次元導電体、 電子相転移、錯体作製


 前任地で有機超伝導体の研究に参画し、その後、京都大学に籍を得ました。この間、主に導電性・超伝導性の発現を目指して新規な分子性結晶(電荷移動錯体・ラジカルイオン塩)の開拓に従事してきました。専門は物質開拓を主とする化学合成ですが、その中で超高速・高効率な光誘起相転移を起こす導電体が得られ、放射光施設を用いた時間分解分光実験や時間分解電子線回折を専門とする研究者との共同研究を展開してきました。分子とそれらが構築する結晶性物質を作製し、それらの本質を見極めようとしてきたこれまでの経験を、皆様の御研究の御支援に役立てたいと考えております。


(アイウエオ順掲載)